シロザケの若魚「ケイジ」
 
 
6000尾に1尾の高級魚「ケイジ」
山内さんが落とし網の中から1尾のサケを素早くつかみとって「これがケイジだ」。ケイジとは翌年以降に産卵する未成熟のサケ。栄養分が卵に使われないため、その身は特別に美味として知られています。サケ6000本に1本の割合と稀少なため、浜値が1キロ1万円前後と高価なことでも話題になります。東京・銀座の寿司屋で、ケイジ1貫2000円と聞いたこともあります。「昨日は400キロ入り容器いっぱいのオスのアキアジよりも、ケイジ1尾のほうが高く売れたよ」と山内さんも複雑な表情でした。
 それにしても、大量のサケの中から1尾のケイジを見分けるとは、さすが漁師の眼力。
オスはギンとブナの等級に分けられる

「網の中のケイジは青っぽいからすぐにわかるよ。水揚げしてからは、鼻がとんがっている、 ウロコが小さい、背が青い、腹にウロコがない、尻ビレが白い、尾ビレの先端に切れ込みがある、そんな特徴があるんだ」
 羅臼ではほかに「トキシラズ」「メジカ」と呼ばれるサケも水揚げされ、味のよいことで人気があります。トキシラズは5〜6月に漁獲されるため、この名があります。アムール川などを生まれ故郷にするサケが、日本海域に迷いこんだといわれます。メジカはほかのサケにくらべて、目と鼻先の間隔が短いことからこう呼ばれます。ほかの多くのサケと同じく秋に回帰しますが、産卵する25日から60日も前に漁獲され、アキアジと区別されています。

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定置網漁でサケの大漁
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