日本で初めて種苗作りに成功

なかがみ養殖場のイワガキの水揚げ
 なかがみ養殖場(08514・6・0381)は、西ノ島の珍崎にあります。養殖場の目の前には、青く澄みきった日本海が広がり、イワガキの育成に向いているのが素人目にもわかります。代表の中上光さん(浦郷漁協組合員)の話は、日本のイワガキ養殖の足跡そのものでした。
@イワガキの殻むきは、平らな殻を上にして殻むきナイフを殻の隙間に差し込む
A殻むきナイフで貝柱を切ると殻が開く
B殻むきナイフで身を取り出す

「オヤジが昭和52年からイタヤガイの養殖を始めましてね。その養殖事業を私が継ぎ、平成4年に日本で初めてイワガキの種苗生産に成功しました。平成6年から、ぼちぼち売り始めたのですが、養殖イワガキを販売したのも、うちが全国で初めてだと思いますよ」
 6月末から7月初め、 母貝の卵子と精子を海水に振り出して受精させます。これが25度の水温であれば、6時間でふ化するというから驚きです。
「次に1トンあるいは500リッターのタンクに、1CC当たり0・5、あるいは1の比率で幼生を収容します。これを植物プランクトンの餌を与えて育てるのです」
 と説明する中上さんの視線の先には、金属製の大きなタンクがどーんと備わっています。ワインの発酵タンクによく似ています。
 幼生が350ミクロン(1ミクロンは1ミリの1000分の1)まで成長すると、足を出してはえずりまわります。
「匍匐しながら、いい場所を探してひっつくんですよ。付着すると成長は早く、すぐに500ミクロンほどになります。餌を与え、水を替え、ほぼ1ミリになるまでタンクで育てます。ここまでがふ化してから1ヶ月、長くて40日ですね」

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伝説の島のイワガキ養殖
日本で初めて種苗作りに成功
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