海の神様がくれた贈り物!
  
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「カジメは一気に切らないとうまくない」と大久保さん |
大久保さんがカジメの手料理をごちそうしてくれました。「カジメの新芽部分を選んで、これを細かくきざんで冷凍にしておきます。磯の香りとネバネバが特色で、体にいいこともあって最近の健康志向で人気があるんですよ」。
カジメの味噌汁は手がかかりません。鍋に湯を沸かし味噌を溶きいれます。沸騰寸前に火を止め、汁椀にきざんだカジメをあらかじめひとつまみ入れておいて、味噌汁を注ぎます。あとは軽く混ぜ合わせて小口切りの青ネギを散らすだけ。と、にわかにさわやかな磯の香りが鼻先にただよってきました。一口すすると、ネバネバとともに上質な旨味が口中にあふれてくるのです。
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細かく刻むとネバリがよく出てくる |
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今度はカジメに醤油を少量たらして混ぜ合わせ、熱いご飯の上にのせてほおばりました。カジメ版納豆です。磯の香りにさそわれて、ご飯2杯をぺろり。カジメ納豆やカジメの酢醤油では、通常カジメを湯通しします。大久保さん流は生のまま。冷凍することにより、どうやら繊維がやわらかくなるようです。
カジメにはアルギン酸をはじめ、カルシウム、カリウム、マグネシウムなど多くのミネラルが多量に含まれています。特にネバネバの素であるアルギン酸は、ワカメやコンブの約2.5倍。この食物繊維の一種は、体内のナトリウムを排出し、血圧を下げる働きがあります。肝臓や血中のコレステロールを排出することも期待できるそうです。うまくて体によい。海の神様がくれた贈り物といえます。
翌朝、毎日午前8寺から開かれる勝本名物の朝市をのぞきました。名産のスルメやウニの瓶詰め、一夜干し、かんころ餅などと並んで、水気を切った生のカジメがありました。島民はよほどカジメが好みなのでしょう、山盛りのカジメがまたたくまに少なくなり、ぼくはあわてて買い求めました。1株100円。密閉して冷凍庫に保存すれば、長期保存も可能だそうです。
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