カジメ漁を船上から見学
  
まずはかつてはイカ釣り名人として名を馳せ、カジメ料理に一家言を持つ大久保照亨さん(勝本漁協理事)を取材。「ちょうどいいところに来ましたよ。沖でカジメ漁をやっているので、見に行きましょう」。と言いながら、名人はもう腰を浮かせているのです。漁港から小船に乗っておよそ5分。沖の防波堤近くでカジメを山盛りに積んだ小船を発見しました。
「ここは水深3〜5メートルの漁場です。箱眼鏡で海底をのぞいてカジメを取るから、箱眼鏡漁と呼んでいます。カマゾウと呼ぶ長い柄の付いたカマでカジメの根元を切り、カマに引っかけて船上に引き上げます。カマゾウは4ヒロ(6メートル)前後の竹の棒の先端にカマを取り付けたものです。一人で舵を操り、長いカマゾウを操る。見た目よりもずっと難しい漁ですよ」
と大久保さん。カジメ漁に熱中して坂本誠一(勝本漁協組合員)さんが、こちらの小船に気が付いて声をかけてきました。「写真を撮るなら大きいのを上げるから待ってろよ」。
カジメが船上にいっぱいになると、いったん港に引き上げて水揚げします。それを1日に数回繰り返すそうです。先回りして港で待っていると、やがてカジメで埋まった漁船が戻ってきました。待ち受ける奥さんがカジメを受け取り、「これから風通しのよい浜で天日に干します。水気を取り除くのが目的ですから、時間にしたら2〜3時間ですよ」。
壱岐のカジメ漁は12月から3月まで続きます。→
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