棒アナゴ漁では、1回の出漁で道具を流すのが1回だけ。それでも午後1時に出港して、帰港するのが翌朝の3時になるそうです。水揚げしてからも、きつい作業が待っています。この魚は鮮魚として流通しないため、浜で加工する必要があります。1尾ずつ口に金串を刺して棚から吊し、魚体を指にはさんでハラワタと腹の中に残っている餌を肛門からしぼりだします。それから、「風のある日ならば3時間ぐらい」天日に干し、急速冷凍して保存します。この冷凍の形が棒のように長くピンとしているため、棒アナゴと呼ばれるようになったと思われます。
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今日は大漁だった |
長ものでヌルヌル。スタミナ効果が期待できそう |
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口に針金を通して風干しに
する |
棚に吊し、ハラワタなどを
取り除く |
「漁のあとにすぐ加工しなければならず、それは辛いこともありますよ。でも、こうしてていねいに加工するから、男鹿のアナゴはうまいと人気があるんだね」 と胸を張る澤木さん。
棒アナゴに出漁する漁師は年々少なくなり、男鹿では澤木さんのほかはたった一人になったとか。1日の水揚げ量がまったく計算できないことと、ほかの漁にくらべて厳しい労働が原因と思われます。
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出漁を待つアナゴ筒 |
「これから加工だ」と澤木さん |
この形から棒アナゴの名がある |
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