島に伝わる「がぜみそ」とは?
伝統のご飯の友、
がぜみそ

 勝本町のウニの漁期は、例年だと4月末から7月初めまで。今年はもう来られないと思うと、手土産が欲しくなりました。再び大幸物産に顔を出し、塩うにを買い求めようとすると、店の小島幸子さんが「塩うにもおいしいですが、がぜみそをおすすめしますよ」。

 試食用ビン詰めのふたを開けると、ウニ特有のふわっとしたにおいが鼻先をなでていきました。舌にのせると、軽みとコク、気品と野生、磊落と繊細が渾然と入り交じった味わい。 70 グラム入り1000円を2本買い求めました。

「がぜみそは昔から島に伝わるご飯の友。うちでは祖母がやっていたとおりに作っています。ウニを殻ごと大鍋でゆで、熱いうちに殻から身を取りだして、すり鉢で味噌と砂糖をすり合わせて作っています。温かいご飯にのせると、何杯でも食べられるので、私たちは米ドロボーと呼んだりするんです。冷や奴にもキュウリにもよく合いますよ」

 買い求めたがぜみそで、当分のあいだは壱岐のウニの風味を楽しめそうです。


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