中国の史書『魏志倭人伝』は、わが国に関するもっとも古い記録です。それによると、3世紀前半の壱岐島は「広さ三百里平方ばかり竹木、叢林が多く、三千ばかりの家がある」とあります。邪馬台国の時代から、大きな集落があったことがわかります。
今の壱岐島は、取り扱い高日本一のウニと、漁獲量日本一を続ける釣りケンサキイカでよく知られています。以前、北端にある勝本町で、今思い出しても生つばゴクンの極上ウニを食べたことがあります。そんないい思いをもう一度と考え、福岡港からジェットフォイルに乗りました。
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大幸物産食堂の品書きは
ウニが主役 |
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大幸物産食堂のウニ定食 |
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ウニてんこ盛りのうに丼 |
勝本町は漁船700隻余りを抱え、北九州でも有数な水揚げ量を誇る漁師町です。勝本港近くで毎日開かれ、江戸時代から続くという朝市をのぞくと、農家のおばさんがとりたての野菜を路上に並べ、漁師のおかみさんたちがぴちぴちの鮮魚や手作り加工品を販売中。売り手との会話が楽しく、つい時間が経つのを忘れてしまいました。
朝市をのぞき疲れて、朝市通りの大幸物産という土産品店兼食堂でひと休み。おすすめは? とたずねると、間髪をいれずに「それはうに丼ですよ」。漁師が獲ってきたばかりのムラサキウニを使っていると聞いて、食いしん坊が注文しないわけがありません。
さすがに壱岐島のうに丼。生ウニのてんこ盛りです。ウニを口に含むと、はかないまでの食感のあとに、たちまち艶めかしさを秘めた甘みが口中に広がってきました。後口に漂う潮の香りもけた違いです。こんな天然無垢な風味は、市販の生ウニではとうてい味わえません。壱岐に来てよかった! |