珍しい水晶網漁法

海面に8本の柱が立つ水晶網
  牡鹿半島の沖合は金華山沖と呼ばれ、世界三大漁場の一つに数えられています。黒潮と親潮の混ざり合う漁場は魚種ゆたかで、美味な魚介が多く漁獲されます。
そんな牡鹿半島の先端近くへ向かいました。石巻駅前から鮎川行きバ
水晶網の中に網船を入れて網上げ

スに乗り、右に左にくねった道路から小さな漁村をときおり見おろしながらのおよそ1時間40分。やっと給分浜の遊佐宅に到着しました。


  遊佐さんは漁業のかたわら「後山荘」という民宿を営み、

船着場に到着すると、魚種別に選別して出荷
イワシ類や小さなトビウオは養殖ソイのエサに使う

四季を通じて全国の魚好きを集めています。この 日の夕食には、マアジの造りやイナダ、トビウオ、ウニの刺身などが食卓狭しと並び、食いしん坊の舌を大いに満足させてくれました。魚はいずれも水晶網と呼ぶ漁法で獲れたのだそうです。
「給分浜の水晶網は、全国でも珍しい漁法ですよ。20メートルほどの海底に八本の杉材を立てて八角型の枠を作り、その中に網を張ります。海中に
大きな簀立てを仕掛けるようなものだね。魚の通り道に伸ばした垣網で魚を誘い込めば、水晶網にはかえしがあって出ることができません」と遊佐さん。


  水晶網には多種多様な魚がかかります。12月から2月まではニシンやセイゴが主で、4月にはカワハギが多くなります。6月になるとマダイとヒラメがはいり、マイワシの大漁も。7月にはイナダやトビウオなどの夏魚が獲れ、この時期にクロカスベも姿を見せます。9月からはサケが多くなります。


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