隠岐産は美味

 化粧した殻の美しさは、目を奪われるほどです。そのため、多くのヒオウギガイは12月の歳暮用として出荷されます。ところが、もっとも美味なのは、身が太る5月の産卵前なのだそうです。「この頃にもっと出荷されるようになったら 、ヒオウギガイの人気は本物だね」と梶脇さん。

この殻の美しさで
ギフト用として人気
「これが採苗用のネット」
と梶脇さん

 ヒオウギガイはホタテガイ同様、主に貝柱が食用にされます。刺身、グラタン、フライ、バター焼き、炊き込みご飯、酒蒸し、ガーリックソテーなど数多くの料理法があります。梶浦さんのおすすめは海賊焼き。殻ごと鉄板で焼き、殻が開いたところに醤油とバターを加えるだけという浜の食べ方です。

 取材の晩、同じ西ノ島の別府にある「旅館みつけ島荘」で、梶浦さんが育てたヒオウギガイを刺身と海賊焼きでほおばりました。その弾力性を楽しみながら、梶浦さんがこう言っていたことを思い出しました。「隠岐のある日本海は水温 が低い。育つには時間がかかるけれど、ここのヒオウギガイは身が引き締まって、おいしさが凝縮されてるよ」。

ヒオウギガイの刺身。ホタテガイ
よりも野性的な味
ヒオウギガイの海賊焼き

 なお、西ノ島の浦郷にある梶浦さん経営の食堂「おき龍宮堂」(08514・6・0224)で、ヒオウギガイを食べることができます。また、同食堂では7 〜 10月を除き、電話注文で宅配しています。


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