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収穫を手伝う隠岐の女性 |
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水揚げ直後のヒオウギガイ |
最初の年は大分県と和歌山県からヒオウギガイの種苗を買ってきましたが、翌年から自然採苗が可能になったといいます。採苗は5月末 から 6月。細かい網目の大きなネットを海中に吊しておくと、自然に種苗が付着するそうです。そのまま半年ほど吊し、11月に稚貝まで成長したヒオウギガイを取り入れ(梶脇さんはこれを種取りと言っていた)、パームネットという提灯型の籠に移します。籠一つに20個前後の稚貝を入れ、延縄式で 海の中層に吊します。
ほかのヒオウギガイの養殖では、多くがタンクの中で種苗を育てています。それでは餌もいるし、手間もかかります。ここでは自然採苗で、自然環境で育てています。餌もいらないし、手間もかかりません。
「種は5ミリであったり、8ミリであったり、1センチだったりする。生産の歩留まりをよくするために、大きい種を選んで育てている。小さな種は再放流していたら、それが自然に育って母貝になり、産卵するようになったんだ。それを繰り返してきたから、今では安定して採苗できるよ」
梶脇さんは、してやったりの表情でし た。
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