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夜に帰港する刺し網漁船 |
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ハマチを選別台へ流す |
午後9時には刺し網漁船が50〜60隻入港すると聞き再び市場に向かった。選別台の上には釣り物のアカメバル・クロメバル・トラフグも水揚げされていた。販売課の事務所でストーブにあたりながら入港を待っていると、夕方心配されていた舳倉島周辺で漁をしていた小型底引き網漁船40数隻は天候悪化から結局帰港することになったという。「予定では明日の昼だったが、急きょ“夜引き”するのをやめて入港を繰り上げた」そうだ。これを受け市場の中は急に慌しくなった。砕氷機の音が鳴り響き氷は次々に発泡箱に敷かれ受け入れ準備が始まった。海上にはたくさんの船の灯りが見え、間もなく刺し網漁船の水揚げが始まった。磯野参事、水谷部長ほか職員総出で対応に当たる。
刺し網漁船の対象魚はハマチで、プラスティック製のカゴに入れ水揚げされる。船上では帰港までに外しきれなかったハマチを網から外している姿もあった。『玉栄丸』の船主が「好漁だった」という通り、後から後から入れ代わり立ち代り入港する船からも大漁のハマチが水揚げされた。見るからに活きが良く「ツヤツヤと光っている」ように見えた。辺り一帯が“ハマチの山”といった状況で、職員総動員でもとても捌き切れる量ではなく「間に合わないから一時的に水氷入りのタンク(300`入り)に納め後で発泡箱に入れる」と言っていた。多い船は2〜3dの水揚げがあった。
一方、小型底引き網漁船の水揚げも始まり漁港の岸壁には隙間なく漁船が横付けし、海上には順番待ちをする漁船の灯りがともっていた。底引き網漁船はカレイやズワイガニが主体だったが、「操業時間が4時間で2回しか引けなかったので少なかった」。通常は10〜12回引くらしい。荷捌き場の一角に発泡箱に入れ“能登国・輪島市漁協”のシールをかぶせた立派なタイを見つけ、組合長が「昔からタイの上る北限に近かったから全国的に優良で旨いタイの産地」と言っていたのを思い出す。
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