2、3個のウニを一度にすくう
  
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「2、3個を一度に獲るのがコツ」とえたりの表情 |
翌朝、本泊漁港へ足を運ぶと、うれしいことにウニ出漁の旗が風にたなびいていました。午前6時、一橋さんの船外機に便乗して、うっすらと雪化粧した1721メートルの利尻山を眺めながら漁場へ急行。10分ほど走ると、一橋さんはエンジンを止め、櫂に替えて小刻みに船を移動させ、
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海底を箱眼鏡でのぞく僚船 |
止まる度に箱眼鏡で海底をのぞきます。ウニを発見するや、足で櫂を器用に操りながらウニの真上に船を止め、直径20数センチ、深さ50センチほどのタモでウニを器用にすくっていきます。
「タモの柄はこうしてジョイントして、水深に合わせて2、3メートルから12、13メートルの長さまで利用できるよ。これで2、3個のウニを一度にすくうのが大漁のコツだね」
この日、ウニ漁の規定時間は2時間。籠一杯の大漁でした。それでも一橋さんは満足することなく、こうぼやくのです。
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「民宿を始めたら、漁まで手が回らなくなり、今はウニ漁だけに絞っているんだ」と一橋さん |
見事!ウニをすくう |
「専業漁師のときは、生活がかかっていたから、もっと必死だったよ。民宿を始めてからは、集中力がにぶり、腕前はだいぶ落ちたなあ」。
一橋さんは刺網やホヤ桁曳網のベテラン漁師でした。ところが3年前に始めた民宿が忙しくなり、ほとんどの漁をお休み中。今はウニ漁だけに取り組んでいます。
本泊漁港にもどって1個のウニを分けてもらい、小石で殻を割り、ハラワタを取り除くのももどかしく、指ですくってシュルシュル。ウニは獲りたてを浜で食べるのが一番!
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宝生丸の食膳には、ウニそのまんま。これを殻割り器でパックリ
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