キタムラサキウニとエゾバフンウニ
初夏を迎えても、利尻山は雪化粧だった。
 そんなキタムラサキウニを取材するため、北海道稚内市南西の日本海にぽっかりと浮かぶ周囲63qの利尻島へ向かいました。稚内港からフェリーに乗り、約1時間40分で利尻島の鴛泊港に到着。初夏の日本海は実におだやかでした。
 フェリー港から車数分で、日本海の眺望が美しい野塚岬、ここに建つ民宿「宝生丸」の主人、一橋雅人さんは、島の本泊という

本泊漁港でウニ箱眼鏡漁を準備する一橋さん

浜で生まれ育った生粋の漁師。この人が獲ったウニを味わうため、わざわざ北の島へ足を運ぶ人が少なくないとかねてから耳にしていました。
「特別注文でウニ尽くしコースがあり、これを食べに、ウニ好きの方が遠くからやってくるよ。島のウニは利尻コンブを食べて育つから、ほかよりもずっと味がいいんだ。それをたっぷり楽しめるので、人気があるんだね」。
 一橋さんによると、 利尻島で獲れるウニは、キタムラサキウニとエゾバフンウニの2種類。キタムラサキウニの漁期は、例年であれば6月10日から9月いっぱいまで。エゾバフンウニの漁は早い年には6月20日から始まり、8月末日まで続くそうです。

別名「利尻富士」の利尻山を眺めながら、櫂を漕いでウニを探す

漁場の水深に合わせて、タモの柄の長さを調節する
「その期間でも毎日というわけでないよ。漁師の代表が海の状況を見て、出漁できるかどうかを判断するんだ。出漁と決まれば、早朝の港に合図の旗を上げることになっている。明日は海が荒れることはないだろうから、ウニ漁に出られると思うよ」
 一橋さんの言葉にホッと一安心。

-2-
戻る ・・・ 次へ

 

CONTENT
食べる部分は生殖巣
キタムラサキウニとエゾバフンウニ
2、3個のウニを一度にすくう
珍しい!ウニの三平汁