大漁に大喜び
岩礁に近づくとエンジンを櫨に替えて

  翌朝、民宿の庭から磯へ下りると、中村さんが小船の上で待っていてくれました。
「磯が海面から出る干潮の時間帯が、カメノテ漁にいいんだよ。磯づたいに歩いても行けるんだが、船のほうが楽だからな。30分もやれば二人前ぐらいは獲れるだろう」
 沖の岩礁へ向
船上から岩礁に飛び移る
足下をしっかりと確かめて
かって5分ほど走ると、「ほら、見えるだろう。あれがカメノテだ」と中村さん。指さす方向を見ると、大きな岩の割れ目に小さなサボテンのようなものが波間に見え隠れしています。教わらなければ、わかりやしません。
 中村さんがエンジンを櫨に替えて岩礁に近づき、船上からひょいと飛び移りました。さすが現役漁師。身軽な「おじいさん」です。足下を確かめてから、鉄製のノミで岩からカメノテをはがし、軍手をはめた左手で受け止めます。と書けば簡単そうですが、波打つ水際の作業ですから、素人ではこうはいかないでしょう。15分ほどで両手に2、3杯のカメノテを獲って、カメノテ漁の終了。
「今日はこんなところでいいだろう。5、6月になるともっと身が太るから、その頃にまたいらっしゃいよ」

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CONTENT
旬は田植えが終わる頃
3〜4センチの節足動物
大漁に大喜び
ほかに類のない美味

「今日の分はこれで十分」とカメノテ漁を終了
「5、6月の旬にまた来なさいよ」と中村さん