タイトル写真提供 : 斉藤 高根氏

美味で人気の小エビ

阿久根港。
ヒゲナガエビ漁はここから出漁する
 「薩摩甘エビ」とも呼ばれる、おいしい小エビがエビ好きのあいだで人気急上昇中です。標準和名はヒゲナガエビ。駿河湾以南の水深200〜600メートルの砂泥地に生息し、東シナ海で多く漁獲されます。体長15センチ前後に達し、甘エビ(標準和名ホッコクアカエビ)に似ていますが、もう少し太めで、もっと明るい赤色です。また、ヒゲナガエビの名の通りヒゲが長く、体長の3倍以上もあります。
 このエビを多く水揚げする阿久根港で、
半透明の明るい赤色が鮮やか
ヒゲナガエビ漁から帰港したばかりの倉津澄孝さんに話を聞きました。阿久根市漁協組合員の倉津さんは、阿久根市のヒゲナガエビの漁と販売を一手に行っているエビミー水産加工の社長兼船主兼漁労長で、鹿児島県指導漁業士としても活動しています。
「昭和45年に船主兼漁労長の3人でエビミー水産を創業して、自分たちで獲ったヒゲナガエビを薩摩甘エビという商品名で売ることにしました。少しずつ販売ルートを開拓していき、このごろやっと薩摩甘エビの名で、全国的に知られるようになったんですよ」
「うまいエビだから売れる」、漁師たちのこの自信と一徹さが、成功を招いたといえます。

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美味で人気の小エビ
水深400メートルを網で曳く
頭と殻から絶品のだし
ぷりぷり感が楽しい
ヒゲナガエビの料理

取材:野村祐三