水管もハラも旨味たっぷり
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「水管だけでなくハラもうまいよ」 |
大漁に足取りも軽い |
坂口さんが獲ってきたばかりのミルクイガイを料理してくれました。
「ほかではクロミルの水管だけを食べるようだが、ここでは眼の皮とヒモの膜、ハラの一部以外は全部食べます。新鮮だからでしょうが、特にハラはトロみたいでうまいもんですよ」
下ごしらえはさすがに手慣れたもんです。 包丁を殻のあいだに差し込んで殻を開け、 貝柱を切って身を殻からはずし、水管と本体を切り離します。次に水管の黒い皮をむき、水洗いして適当な大きさに切り分けます。これで水管の刺身ができあがりました。
今度は本体からヒモを取り外し、ヒモのうすい膜を取り除きます。
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殻のあいだに包丁を差し込んで殻を開ける |
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見た目は悪いが味はとびきり |
本体の白い部分(坂口さんがハラと呼ぶ部分)を二つに切り分け、切り口をよく水洗いします。こうして水管もハラもヒモも刺身に造り、一皿にきれいに盛りつけました。
ミルクイガイの水管は、何度か食べたことがありますが、ハラの部分は初体験。そっと舌にのせると、トローンとした食感が口中に走り、たちまち旨味が充満しました。カキの卵巣に匹敵する、あるいはそれ以上のおいしさです。水管はジョリジョリした歯ざわりが楽しく、それから豊潤な香りとコクがじんわりと広がってくるのでした。
日間賀島のミルクイガイ漁は、4月1日に解禁され12月まで。旬は4月から6月。この時期は砂泥から水管を大きく出すので獲りやすく、外敵も少ないため漁獲量も多く、味もよいそうです。坂口さんが営む民宿「はまや」では、この時期にかぎり、ミルクイガイ料理を特別注文できます。
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ミルクイガイの水管、ハラ、ヒモの刺身盛り合わせ |
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水管の刺身。歯ざわりがうれしい |
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