マアジをさばく手際は神業級!

アジを開く坂中美恵子さんのみごとな技。
 この日漁獲されたマアジのうち、200尾前後がまるい干物店で開きにされました。「もう30年もやってますから、目をつぶっても勝手に手が動いてしまいますよ」と女性網元は笑いながらマアジに包丁を入れました。いわゆる背開きです。まず頭を二つに切り割り、そのまま背から中骨の上に包丁を進めて、腹皮を残してストップ。それから指でハラワタを取り除きます。その速いこと! おいしいアジの開きの条件として、この手際のよさもあるはずです。
太平洋からの潮風と天日が絶品の干物を作る。

 開いたマアジを塩水に約1時間漬け込んだあと、真水で2度洗ってから天日に干します。真水で洗うのは、塩の働きで表面に出てきたくさみ成分を洗い流すためです。また表面に塩を残しておくと、保存しているうちに内部に浸透して、塩辛くなってしまうからだそうです。
 
干物だけが目的で、遠くから波切まで足を運ぶ人も少なくない。
網元の塩加減は「勘でやっているのでどの程度でしょうか。海水の倍くらいの塩辛さです」。海水は塩分3パーセントですから、6パーセント前後になります。水1リットルに対して60グラム。この塩梅と漬け時間によって、干物の塩辛さが決まります。
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女性網元の干物製造直売店
この日の大敷網は黄アジの大漁
マアジをさばく手際は神業級!
波切の強い潮風が旨い干物を作る
マアジの料理