トビウオ食ばなし |
食材としてのトビウオ |
地球上の魚族が二万種と言われて中で空を飛べる魚‘トビウオ’の他、トビイカと二種類位でしょうか。船の先端に立っているとその光景を目にする事が出来ます。青い軸に白い羽がついた竹とんぼのようです。元気なトビウオは1分間に600メートルも飛ぶと聞いております。飛び出す原因は身に危険を察知した時が殆どと言われておりますが、トビウオの気持ちを聞きたいですね。 世界各地で生息しておりますが、日本では北海道西南から九州の沿岸全地域に約20種位が知られているそうで、ホソトビ、カクトビ、ホントビ、ハマトビ・・、と地域で呼び名も様々です。旬は春から秋ですが、産卵しながら北上する所を漁獲する、その場所が様々な事から場所によって旬の違いがあります。未成魚を獲る所もある為、年間漁獲の魚です。関東では春、八丈島界隈が旬です。味としては青身の魚ですが脂肪が少なく、白身魚のように身が透き通って淡白ですが、体側面の羽(胸鰭)に送る血合い部分が多い為、クセがあります。肉質の粘りも優れておりますのでそのままの料理もすり身も歯ごたえはすばらしいです。料理は先ず、刺身や叩きが出来ます。都会の普通の店先のものでは刺身用はお目にかかれませんが、鮮度が売り物の店先では手にする事ができます。焼き物はさっぱりとした味に仕上がりますので、‘塩焼き’が1番です。又、タレ焼き(生姜焼きなど)、化粧焼き(雲丹焼きなど)も美味しいですね。魚に脂肪が少ないので揚げ物も美味しいです。唐揚げ、さらにマリネー、南蛮漬けと味の変化をつけて揚げ浸し料理が色々に作れますね。又、衣に変化をつけて変わり揚げも楽しめます。枝豆をつけた‘ヒスイ揚げ’、牛蒡をつけた‘蓑揚げ’は夏野菜の色相と香りが味を一層引き立てます。すり身にすると粘りの強さがよくわかります。塩味でシンプルに作ったすり身を細く絞り出して作る‘魚うどん’、ひと口大に茹でて作る‘つみれ汁’は白さも味になります。味つけをして油で揚げた‘魚のたたき’はふわりと軟らかさが味に加わります。棒を芯に巻きつけて焼いた‘アゴちくわ’は少し値がはりますが、美味しいですね。丸ごと干した正月用のアゴだしは九州の雑煮に欠かせません。甘さが加わった美味しいだしです。関東では干物、くさやを作ります。卵はトビコという塩蔵品が最近は多く、鮨屋の握りも定番になりましたが、以前はキャビャの代用品に使われておりました。買う時は鱗がしっかりとついていて、腹側の白さ、背の青さがはっきりしているものが新しいです。家庭の保存は下味(調味液など)をしておきましょう。青身の魚は鮮度が落ちやすいから・・。
|
旬と産地 |
|
この時期が最高!→6月〜8月 | |
12年度の水揚げ量は9,615トン 水揚げベスト3(平成12年) (1)長崎県 23,635トン (2)鹿児島県 1,827トン (3)島根県 1,474トン |
栄養〜トビウオに多く含まれる栄養と効能〜 | |||||||||||||||||||||
|
おいしいトビウオの見分け方 | ||
|
トビウオの漁法
|
||||||
|
このページは、全漁連料理教室講師の田口道子先生が旬の魚を使った調理法・料理をご紹介します。 |