コウイカ食ばなし
食材としてのコウイカ
 コウイカは甲烏賊と書き、背の軟骨が石灰質で出来た固い甲羅のようになっている為、この字が当てられておりますが、別名スミイカ、マイカ、ハリイカといわれております。甲烏賊の数ある種類のなかでもアオリイカ、モンゴウイカなど、姿が見分けし易い種類が一般的に市場に出回っておりますが、地方では呼び名が違っている場合もあります。本州中部以南から南シナ海に分布しており、産卵は夏に沿岸域にあがってくる、この時を逃さず漁師は漁獲する。メスに多くのオスがよってくる習性を利用するわけです。スミイカと言われるように墨を吐いて難を逃れるんですが、墨が当たりに散らず、しばらくもやもやと固まって残っている間に逃げるんだそうです。この墨は料理には珍重されておりますね。スペイン料理を代表に外国料理に使われ、日本では塩辛の'黒作り'があります。
 栄養価は脂肪が殆ど零に近い為、エネルギーが低く、良質の蛋白質と共にタウリンが非常に多いので生きる活力の元になります。又、干すと甘味を呈する旨味が豊富で、煮物の出しには格別に美味しいです。ミネラルでは亜鉛が多いので味覚神経の活性化にも優れております。
 料理は肉厚の良さ、ねっとりとした口当たり、口に広がる甘味が特徴で、先ずは生食としてそのままの刺身、鮨種ですね。下ごしらえを加えてコウイカの芥子酢みそあえ、サラダ、和え物が生そのもの歯当たり、甘味、喉越しが味わえます。さっと湯通ししたしゃぶしゃぶにして色々な料理に仕上げて楽しむ事もいいでしょう。さっと油で揚げた天ぷら、フライ、変わり揚げ物も各国味自慢が出来ます。焼き物、炒め物の香ばしさは食欲増進に欠かせませんね。他、ご飯料理、麺料理も老弱男女、広く好まれ、昔から作り続けられているメニューの一つです。
 甲羅は水に2〜3日晒して完璧に乾かし、卸がねで摺り卸して茶漉しで漉して切り傷の薬が出来ます。



旬と産地

この時期が最高!→初春3〜6月
分布
 ・主に愛知以南の太平洋側と瀬戸内(豊後水道含む)

水揚げベスト3(平成13年度)
 ・13年度の水揚げ量は8241トン
  (1)愛媛県 1896トン
  (2)大分県  826トン
  (3)山口県  712トン
  

 




栄養〜コウイカに多く含まれる栄養と効能〜
栄養素
良質の蛋白質・タウリンが非常に多い
亜鉛

〜これに効く!〜
活力の元
味覚神経の活性化



おいしいイカの見分け方
肉厚のもの。
身が締まって、透明感のあるもの。



コウイカの漁法
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籠網