キス食ばなし

食材としてのキス
 キスは初夏から初秋にかけて産卵する為、餌をよく摂るようになるので美味しくなり、餌を摂る為に水面近くに集まってくるので釣り人には楽しい気分が味わえます。一般に彼岸前後が旬と言われ、春〜初秋の献立に登場いたします。又、魚編に喜ぶを綴った字を宛がっておめでたい献立'正月料理他、お祝い事'にも使われます。魚種はシロギス、アオギスが主に店先に並びますが、一般的なのはシロギスです。味も美味しいです。
 沿岸魚の代表格がキスで、昔は日常の食材として天麩羅、塩焼き、酢の物として献立に致しましたが、昨今は他の魚種が豊富に手に入る事、待っていた旬の魚からは、ちょっと離れている魚の為、家庭料理からは珍しい魚になってしまいました。しかし、食べ方は洋風、中華風にと変化をつけて楽しむ事も出来る、下ごしらえで手間いらずの魚ですよ。くせがなく、白身で、食べ易い大きさがいいですね。
 料理法は先ず、姿作りにして塩焼きにし、さらに練り味噌を塗って炙った魚田がさっぱり味を生かしております。次に姿作りに粉をつけ、から揚げにしてキスのラビゴットソースかけ、南蛮漬けやマリネー、あめ煮が美味しいです。背開きや3枚卸しにしてキスの天ぷら、衣に変化をつけた変わり揚げもいいですね。ゴマ他、ナッツ、豆類やみじん切りの野菜類をつけて揚げたものです。又、卸し身をしょうゆに10分位浸して風で小1時間干した'風干し'は美味しいです。さっと炙って食べます。煮物も卸し身にしてから卵黄をまぶして煮たり、揚げて煮たり、葛叩きにして煮たりしますが、鍋物にも使い、椀種にも使われます。
 鮮度のよいものは卸し身にして刺身、酢の物も美味しいですが、塩で〆て昆布で包んで5〜15分位〆た'昆布〆'を菊の花と酢の物にすると最高です。塩で〆る時は振り塩でなく、立て塩(塩水の事)で〆ます。卸して残った中骨を揚げた骨せんべいも抜群です。
 材料費はかさみますが、すり身もコシがあって美味しい練り製品が出来ます。



旬と産地

この時期が最高!→夏から初秋

全国の水揚げ量は約200〜800トン

北海道南部から九州にかけて、ほぼ全国でとれる。





栄養〜キスに多く含まれる栄養と効能〜
 
栄養素
(Ca)カルシウム


〜これに効く!〜
骨と歯に良い。



おいしいキスの見分け方
・ 買う時は丸のままの場合は鱗がしっかりとついていて、蛍光色のような艶のあるもの、腹の排泄口の開いてないもの
・ 開いたものを買う時は身が透き通っている色合いで白っぽいのは避けましょう。
・ 冷凍物は凍ったものを選び、あまり臭いのしないものがいいでしょう。
・下ごしらえの時、腹を開くと黒い皮がついておりますが、苦味、臭みがありますのでしっかりと洗い流しましょう。



キスの漁法
底引き
定置網
底流し網
釣り





全漁連料理教室講師
このページは、全漁連料理教室講師の田口道子先生が旬の魚を使った調理法・料理をご紹介します。