ヒラメ食ばなし
旬の魚をもっと知る
 

食材としてのヒラメ
 
ヒラメは高級魚の一種で、種類はヒラメと舌ビラメの仲間数種が生存し、似た体形のカレイは何百種類もおります。側扁した楕円形をなし、片側部に両目がついている変わった体形の魚です。‘左ヒラメの右カレイ’と言われ、中には逆の形をした魚もおります。しかも周囲の環境に体色を変化させる認識が大変強い魚で、水槽の色にまでも合わせて変色すると言われております。分布域は遠くは樺太、千島、朝鮮半島、香港近くまでの南シナ海に分布する。日本近海では全域に生息するが太平洋側は少ない。日本近海では幾つかの群れがあり、夏は北上、冬は南方と移動する為、漁獲も定まり難い。産卵は早春から初夏で、料理屋のヒラメ料理は何と申しましても刺身ですので、昔は3月からのヒラメを‘猫跨ぎ’と言われており、最も美味しい旬は冬12月、1月頃ですが、近年の輸送、養殖の技術は優れておりますので年中美味しい刺身を供給する事が出来ます。
 白身魚の中でヒラメは肉質が緻密で、脂肪の含有量も極く少量なので離乳食や病人食にはもってこいの魚です。ビタミン、ミネラルも特別多いものはなく平均的に含有しており、多少ナイアシンが多い為、性ホルモンや血液循環を促進する働きは大きいです。底魚なのでゼラチン質が多く、骨の形成、皮膚組織の形成の働きへの関与はすばらしいので1尾丸ごと料理する工夫を楽しみましょう。
 料理法は先ず、1尾からの下ごしらえ‘身の捌き方’は両面の鱗を包丁で剥き取ります。頭、内臓を取り除いてよく洗い、自分に対して縦に置き、中央の背骨に沿って包丁を入れ、左右に身を剥き取って身を2枚に卸します。両身で身が4枚、骨が1枚で5枚卸しになります。刺身用は皮を剥き取って使い、皮も80度位の湯をさっと通して氷水で冷やして盛り合わせます。縁側も刺身、鮨種にしたり、焼き物、揚げ物など、色々と料理出来ます。ヒラメの刺身は薄いそぎ作り(柳葉作り・・やないばつくりと読む)、引き作りが一般的で、この薄作りをヒラメの刺身風サラダ(中華味)に作り上げると万人に好まれる料理になり、ソースを変えてイタリアン、フレンチ、エスニック風と色々に楽しめます。塩で〆て昆布〆にすると美味しいです。これを和え物、サラダにもお薦めです。焼き物は塩焼き、タレ焼きからムニエルが美味しいです。このムニエルをワイン蒸しにしてヒラメの2色野菜ソースを作り、ソースとの味わい方で味の広がりを、楽しみながらオリジナルな料理に発展させましょう。煮つけ、揚げ物、吸い物も色々な味わいの広がりを作れる魚です。



旬と産地

この時期が最高!

旬:
  秋から冬。

分布:
  ほぼ全国


水揚(13年度):6729トン
  ベスト3
  (1)青森県 1168トン
  (2)北海道  859トン
  (3)愛媛県  488トン




栄養〜ヒラメに多く含まれる栄養と効能〜
栄養素
ナイアシン
(ゼラチン質)

〜これに効く!〜
脂肪の含有量も極く少量なので離乳食や病人食にはもってこいの魚。
性ホルモンや血液循環を促進する働きは大きいです。
底魚なのでゼラチン質が多く、骨の形成、皮膚組織の形成の働きがを助ける。



おいしいヒラメの見分け方
買う時は売り物としては切り身が多いと思いますので、身が透き通っているもの、切り口から水気、血液が滲み出てないものを選び、使う時は必ず、洗って料理致しましょう。底魚は白身ですが、くせが強いので鮮度が良い内に料理をする、洗ってから料理をする、湯通ししてから料理をするという下ごしらえを忘れずに致しましょう。



ヒラメの採法
刺し網
定置網
底引き




全漁連料理教室講師
このページは、全漁連料理教室講師の田口道子先生が旬の魚を使った調理法・料理をご紹介します。