アナゴ食ばなし |
食材としてのアナゴ |
北海道以南の太平洋沿岸沿岸に生息し、東シナ海当たりまで分布しています。春から夏にかけて大陸棚付近で産卵をするのではないかと、ウナギと一緒で定かではありません。成魚になるのは3〜4年ごろで、アナゴの食欲は大変旺盛で海底にいる、エビ、カニ、シャコの甲殻類、イカ、タコや、キス、ハゼなど、沿岸魚を好んで食べると言われております。 ヨーロッパの昔話で、'三竦み'といわれ、アナゴ、タコ、大エビを挙げられておりますが、アナゴのぬめりがタコには敵わず、タコが食べられてしまう話がありますが、このぬめりがひと味アナゴを美味しくしてくれてます。(因みにアナゴがタコを食べ、アナゴがエビに食べられ、タコの好物がエビと言う訳です) 小さいうちほど浅瀬に生息しますが、大きくなると深海に移動致します。昼は砂に穴を掘って生息したり、海底の残骸の穴に潜っている為に'穴子'と言われますが、夜は餌を摂る為に出てくるが比較的穏やかな海流の所や島陰におります。 栄養価は良質の蛋白質の他、D.H.A.やE.P.A.が多く、亜鉛、ビタミンAなど、ミネラル、ビタミンの豊富な魚です。骨も料理すると美味しく食べられるのでカルシュウムも摂りやすい魚です。 買う時は開きにしたものを選び、鮮度の見分けもし易いです。臭いで先ずは選び、開いた身の白さを確認し、指先にヌメリをちょっとつけて指どおしで擦って見て鮮度を見分けます。つまり、パックを開けたとたんにぷ〜と臭いが強くしなければよく、身はしまっていると白くて艶があります。もし、血がついていたら鮮紅色である事が大切です。ヌメリは鮮度の落ちやすい成分なので新鮮なものとの区別は知っておくと便利ですね。そして料理をする前に必ず、洗ってから使いましょう。新しいほどさっとの水洗いで済み、少し臭いが出たら塩水で洗い、更に優しく包丁で表面をこそげ洗いをします。 食べ方はそのまま白焼きにして和え物、炒め物、混ぜご飯にするとさっぱりと頂けます。鮨屋で食べる旨煮は少し多めの八方だしで20分煮てそのまま冷まし、アナゴを取り出して煮汁をとろりとなるまで煮詰め(ツメと言う)、アナゴを戻して入れて食べますが、冷たくすると素敵な煮凝りができます。鮨屋ではアナゴとタレを別にしておき、握った飯に焼いたアナゴを載せ、タレを塗って食べます。因みにアナゴの煮凝りはすばらしいです。ヌメリの多い魚は皆、美味しい煮凝りができますね。今流行りのコラーゲンですから、体の組織作りにはなくてはならない蛋白質です。 揚げても美味しい魚です。天麩羅屋は目玉商品にしている所も多々ありますが、下味をしてくるくると巻いて揚げ、切り口の面白さを生かした変わり揚げ、ひと口大に切って衣に変化を付けた揚げ物も美味しいです。変わった所で西洋料理のテリーヌも美味しいですね。大好きです。焼き物では八幡巻きと言って煮たゴボウに生のアナゴを巻きつけて焼き、しょうゆタレを塗って焼きながら仕上げる料理は日持ちしますので、作りおきのお菜に便利です。 市販品には生のまま、白焼き、蒲焼きと売られておりますので、手際に合わせて買い求めると良いでしょう。これらを使ってアナゴちらし、アナゴ丼は手早く作れるご馳走になります。もっと早く出来る、焼きアナゴ柳川風も野菜を変えて楽しめますよ。生のものはすぐに料理をしなければいけませんが、焼いたものは短期間冷凍保存しても美味しく食べられます。 |
旬と産地 |
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この時期が最高!→夏 | |
12年度の水揚げ量は8.364トン 水揚げベスト3(平成12年) (1)愛知県 1,024トン (2)愛媛県 991トン (3)兵庫県 787トン |
栄養〜アナゴに多く含まれる栄養と効能〜 | |||||||||||||||||||||||
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おいしいアナゴの見分け方 | |||
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アナゴの漁法
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このページは、全漁連料理教室講師の田口道子先生が旬の魚を使った調理法・料理をご紹介します。 |