アマダイ食ばなし
旬の魚をもっと知る
 

食材としてのアマダイ
 
アマダイはタイの仲間ではなく、スズキの仲間です。普通、市販されている種類はシロアマダイ、アカアマダイ、キアマダイの三種が主ですが、他スミツキアマダイ、ハナアマダイの五種が日本近海では生息しています。名前もグジと呼ばれ、若狭グジがよく知られており、静岡ではオキツダイといわれております。字も肉質が甘い所から甘鯛、頭部の形から尼鯛とも書き表します。分布は本州中部以南から東シナ海辺りまではアカアマダイ、キアマダイが中心に生息し、シロアマダイは南シナ海からフィリッピンまで分布しております。旬は寒い季節で晩秋から3月位までです。
 高級魚の部類に属する白身の魚ですが、肉質に脂肪が少なく、肉質が柔らかいので一般的な料理法以外に病人食、離乳食にも最適ですね。栄養価は蛋白質、ビタミン、ミネラルは魚としてバランスよく含まれておりますが、砂泥底に生息し、潜る習性もあるだけに中骨、鰭ががっちりとしておりますので煮凝り(ゼラチン)が素晴らしいです。魚の味はシロアマダイが一番美味しく、次はアカアマダイ、キアマダイの順に美味しいと言われておりますが、何と申しましてもほどほどの大きさと鮮度が一番です。
 料理法は身が柔らかいので下ごしらえで、薄塩で身を〆めてから料理にかかりると味もよく、身崩れもし難くなります。鮮度がよい場合は薄塩をしてから昆布〆にして刺身、和え物、酢の物、サラダ、茶漬けが美味しいです。卸し方で鱗を取ってから、取らずに三枚卸しに致しますが、目的があります。鱗を取って卸す場合は基本的な下ごしらえで、身に皮を付けたままの切り身にして皮を表面に料理致しますが、鱗を付けたままの場合は皮に鱗を付けたまま身から剥がします。身は皮無しで色々な料理に使用され、鱗の付いた皮は食べ易い大きさに切って油で唐揚げにし、塩を振ってそのまま酒の肴にしたり、タレ、あんと共に味付けして料理としてお菜に致しますが、美味しいですよ。アマダイは焼き物にぴったりの魚でよく使用されます。塩焼き、塩釜、柚庵焼き、ホイル焼き、西京焼き(西京味噌漬け)、ムニエルから洋風のソース仕上げで色々な味に作りあげられます。揚げ物、蒸し物(酒蒸し、蕪蒸し、信濃蒸し等)にも幅広く使われます。加工品として粕漬け、味噌漬けで売られておりますが、一夜干しも美味しい干物です。すり身にし易く、味も美味しいので寄せ物、摘入れ、揚げ物、テリーヌなどが美味しいですね。



旬と産地

この時期が最高!

旬:
  秋から冬が旬

分布:
  主に日本海の能登半島以南と東海黄海

水揚(13年度):1781トン
  ベスト3
  (1)長崎県 493トン
  (2)山口件 403トン
  (3)福井県 137トン




栄養〜アマダイに多く含まれる栄養と効能〜
栄養素
蛋白質、ビタミン、ミネラル
(ゼラチン質)

〜これに効く!〜
身体の組織を構成する栄養素がバランスよくとれます。
肉質に脂肪が少なく、肉質が柔らかいので一般的な料理法以外に病人食、離乳食にも最適。



おいしいアマダイの見分け方
関東地方では値段は高めですが、買う時は身が締まって透き通っているものを選びましょう。



アマダイの採法
刺し網
延縄
底引き




全漁連料理教室講師
このページは、全漁連料理教室講師の田口道子先生が旬の魚を使った調理法・料理をご紹介します。